Hamako/ 2月 16, 2022/ 教室/ 0 comments

イメージのみで語られるAIやIoTを脱する

現在、会社経営の傍ら、AI-IoTの職業訓練校の講師もさせていただいております。
複数講師の構成で、AIはK先生、データベースをE先生、私がIoT担当です。

AIを教える職業訓練も、IoTを教える職業訓練も少ない中、たった5ヵ月間の講義で実際にAIとIoTを組込んだ装置を開発するところまでやる訓練は日本の中ではここにしかないのではないか!?と思っております。

AIやIoTはこれだけ技術需要があるにも関わらず、セミナーでイメージのみを語られることが多く、実際に手を動かして開発した人間は少ないです。
実際に手を動かさないと分からないことはとても多く、私はその経験を積んでもらうことを大事にしていきたいと思っています。

実際の開発品

さてさて、前置きはそのくらいにして、お楽しみの実際の開発品の紹介です!!

AI+IoTの装置とは、一体どのようなものなのでしょうか。
今回2期生の作品を紹介しますが、どれもすごいクオリティで、先生陣の方が驚いてしまったレベルのものばかりです。

Aチーム:個人識別 機能付き 出席管理IoT装置

Aチームは、免許証写真をAIで学習させて、そこから生徒の誰である確率が高いかを判定、IoTでその情報を飛ばしてスマホアプリに表示させるというものです。

塾や学校の登下校管理、セミナーや会社の入退出管理など、使用用途が明確でわかりやすいです。

このチームの凄かったところはなんといっても、1枚の免許証写真だけで顔判定の学習を済ませられるようにしたところです。
実際のアルゴリズムは他社が作成して公開しているものを引っ張ってきてはいるのですが、それを実動作に繋げたこと、そもそも実運用においては従来のAI学習のように1人につき何百枚も顔写真取るなんて現実的じゃないよねということの気付きが素晴らしかった。

システム構成も見やすくなっています。どのセンサーをどう使って判定しているのかが図示されています。

実際の装置の設置風景です。
現実で本当に使える場所で使える状態での運用を志しています。
すでにビジネスを見越している感じがいいですね。

アルゴリズムを引っ張ってくるだけではなく、きちんと仕組みを検証しています。

また、ここには載せておりませんが、ビジネス検証もかなり綿密に行っていました。
需要予測や開発期間の検討やフロー作り、実際に仕事にしたらいくらの仕事になるかなど、すごい作り込まれていて感心しました。

Bチーム:Smart AI System Door unlock

Bチームもすぐにでも使いたくなるようなプロダクトです。

配達員さんなどが来たら、AIで人が来たことを認識して、LINEに顔写真と共に通知が来ます。
顔写真で判断してOKであれば、そのままLINEから開錠許可を出すことができます。

鍵っ子の子供、近くに住む親の来訪や、オフィスであれば顔見知りの取引先の営業さんの来訪など、使用用途はかなりありそうです。

概要図です。遠方にいる女性が、男性の来訪者に対してスマホで開錠している様子です。

デバイスを分けて作成しておりまして、こちらは人を認識する方のシステムです。

カメラに映ったのが人間であるかどうかをAI計算して、人間であった場合にはIoTでLINEに画像が飛ぶようになっています。

開閉装置側のシステム図です。
LINEから開錠指示をして、IoTでサーボモーターを動作させて開錠しています。

このチームのすごかったところがFlaskを使ったことです。
LINEから開閉指示を送るところで簡易サーバーの構築が必要だったそうで、それをFlaskで実装していました。
Flaskは我々は教えたりしていなくて(何なら私まだ勉強中)、自力でこの結論に辿り着いて、短期間で1から勉強して実動作まで辿り着いています。

装置の写真がなかったのでお見せできないのが残念なのですが、ドアノブにかかっている袋の中に開錠システムの方が、人が立っている方に人認識システムの方の装置があります。
あとは実際に、LINEの方から開閉指示をすることが出来ていました。

Cチーム:エアジェスチャー

ハンドジェスチャーでPC操作をするというものです。

これは福祉の側面も強いので興味ある方も多いのではないでしょうか。
腕は上げられないけど指は動かせるという障がい者の方を想定されて作られています。

AIで指の形を学習させています。

このチームがすごかったところは、実際に手の画像を大量に撮って、それを学習させてAIを作り上げたことです。
背景や露光を一定にしないとAIモデル作成に支障がでることなどをリアルに学んだことはとても大きい経験になったのではないかと思います。

AI判定にラズパイを使うバージョンと普通のPCを使うバージョンの2段構えでシステムを組んでいます。
客先にも色々な事情が発生すると思うので、選択肢が多いことはとても良いことです。

データ準備→データ前処理→学習→推論と、AI講義で学んだことをきちっと行っています。
並々ならぬ、AIへの熱い想いを感じます。

感動の結果

本当にどれもすごい装置ばかりでした。
ここまでの装置が完成するとは正直思っておらず、1期生も自由にやらせてあげればよかったと後悔してしまったくらいです。
(あまり自由だとキツいだろうと、1期生はこちらが用意した装置のアレンジが課題だったのです)

このような装置を作れるようになるには

これらの装置を開発したのは、もともとプログラムが出来る人ばかりだったのでしょうか。

答えは「いいえ」です。

一部、仕事でプログラミングを少しやったことがある、学校で習った、という方が入ってきてくれたこともありますが、受講生の90%がプログラミング初学者でした。

もちろんピンポイントで必要なところを教えたり、講師陣のフォローアップがあるから5ヵ月でこのレベルになれたわけですが、もしこの講座に来なくても、仕事終わりに毎日2時間自主学習するほどの気合があれば1年~2年くらいでいいところまで作れるようになると思います。

2期生は、プログラミング基礎やAIの数学理論を教えるところまではフォローが必要でしたが、その内自分での勉強の仕方や調べ方を身に付けていき、開発時はほとんど手助けなしで自分たちだけで乗り越えていました。

必要なのは「自分でもできる」と信じる気持ちと「どうしても出来るようにならねばならない」動機づけかなと思います。
あと、支え合う仲間もいるといいですよね。

ずっとブログの更新が滞っておりましたが、更新できたのは強制ブログ更新監視チームのUさんとJさんのお陰です。笑笑
こんなところで何ですが、お礼の言葉とかえさせていただきます。

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